NBRP ナショナルバイオリソース ニワトリ・ウズラ

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名古屋大学大学院生命農学研究科附属
鳥類バイオサイエンス研究センター
〒464-8601 名古屋市千種区不老町

ニワトリ ウズラ
野生原種高度近交化系長期閉鎖系閉鎖系
疾患モデル系育成系TGニワトリ
始原生殖細胞株(Primordial germ cell lines)
標準系大型系 疾患モデル系
ミュータント系TGウズラ 別種のウズラ
マイクロサテライトマーカー mtDNA多型情報
遺伝的多様性アリル頻度分布図
血液生化学データGRAS-Di多型情報
表現型一覧 遺伝的多様性接種中のワクチン
血液生化学データ日本鶏の遺伝学的調査

ミュータント系

HMM(Dominant Yellow)DY(Dominant Yellow)DB(Dominant Black)PansyDotted WhiteFawn2Dwe


HMM

由来
広島大学より導入(2013年)
特性
コロニー: -
羽装: -
体重: 成雄:-- g、成雌:-- g
繁殖: 受精率: -- %、ふ化率: -- %、育成率(3 週齢まで): -- %
遺伝学的形質: 常染色体性の劣性遺伝子により支配された多発奇形(Hereditary Multiple Malformation)を発症する系統であり、ホモ個体の大半は孵卵6日目までに死亡する。生き残ったホモ個体も、正常個体と比べて羽や骨の形成遅延や不全が全身で観察され、孵卵15日目までに死亡する。この他にも前後肢芽で発症する多指症や嘴の短縮化、砂嚢や肝臓、小腸が臍孔から突出するなど種々の形態異常が観察されるため、形態形成の研究におけるモデル動物として利用されている。
参考文献: Tsudzuki et al. 1998. Hereditary multiple malformation in Japanese quail: a possible powerful animal model for morphogenetic studies. Journal of Heredity. 89 (1): 24-31.
○初期発生時のShhシグナルの異常
Matsubara et al. 2016. “Inactivation of Sonic Hedgehog Signaling and Polydactyly in Limbs of Hereditary Multiple Malformation, a Novel Type of Talpid Mutant.” Front Cell Dev Biol. 4: 149.
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Dominant yellow(DY)

由来
広島大学より導入(2014年)。1963 年に豊橋の養鶉場から名古屋大学に導入した一群の雛に見出された黄色の羽毛を持つ雌から確立された羽装色の変異系統。
特性
コロニー: -
羽装: -
体重: 成雄:-- g、成雌:-- g
繁殖: 受精率: -- %、ふ化率: -- %、育成率(3 週齢まで): -- %
遺伝学的形質: 単一の常染色体性の優性遺伝子 (Y) により支配される。Yは劣性致死をともない、ホモ個体は胚の発達状態からみて孵卵2 日以内の早期に死亡していると推定される。雛時期の背部には野生型と同じく黒色線条があり、1 回目の換羽後に消失する。
その他: -
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Dominant black(DB)

由来
広島大学より導入(2014年)
特性
コロニー: -
羽装: -
体重: 成雄:-- g、成雌:-- g
繁殖: 受精率: -- %、ふ化率: -- %、育成率(3 週齢まで): -- %
遺伝学的形質: 常染色体性の不完全優性遺伝子(D)に支配されている羽装色の変異系統。雌雄どちらにおいても全身に黒色(もしくは暗褐色)の羽装を呈し、その様子はrecessive black (YRB)と酷似している。表現型や遺伝形式からExtended brown (E) と同一視されている。
その他: -
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Pansy

由来
広島大学より導入(2014年)
特性
コロニー: -
羽装: -
体重: 成雄:-- g、成雌:-- g
繁殖: 受精率: -- %、ふ化率: -- %、育成率(3 週齢まで): -- %
遺伝学的形質: 黒色、白色、赤褐色の3色で構成される羽装色の変異系統であり、その形質は常染色体性の劣性対立遺伝子 (dps) によって支配されている。雛の時期は淡黄色の下地に、背側に3本の黒色の縞模様を示す。成鶉の雄は頭部が茶色もしくは濃赤褐色をしており、胸部は白みを帯びた赤褐色である。一方、雌の頭部は黒色の縞模様をともなう麦わらのような淡黄色をしており、胸部は小さな黒点の斑模様を示す。
その他: -
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Dotted white

由来
広島大学より導入(2014年)。1982 年に発見された常染色体性の劣性羽装色変異系統。
特性
コロニー: -
羽装: -
体重: 成雄:-- g、成雌:-- g
繁殖: 受精率: -- %、ふ化率: -- %、育成率(3 週齢まで): -- %
遺伝学的形質: 雛の時期は頭部や背部に茶色の斑点をともなう黄色の羽装を示すが、換羽後は白色の羽装と暗色の斑点へと変化する。原因遺伝子 (sdw) はpanda の原因遺伝子 (endothelin receptor B2) の下流に存在しているとされており、斑点模様はパンダ羽装や野生型と比べると淡い暗色を示す。
その他: -
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Fawn2

由来
広島大学より導入(2014年)
特性
コロニー: -
羽装: -
体重: 成雄:-- g、成雌:-- g
繁殖: 受精率: -- %、ふ化率: -- %、育成率(3 週齢まで): -- %
遺伝学的形質: Y 遺伝子座上に存在する常染色体性の不完全優性遺伝子 (Yf2) により支配される羽装色の変異系統。ホモ型とヘテロ型では,雌雄それぞれで羽装色の濃淡に差が生じる。ホモ型の雄は背側に小さな黒い斑点をともなった白みがかった明るい茶色の羽装を、雌は雄に比べて多くの斑点と淡い茶色の羽装を示す。一方、ヘテロ型はホモ型に比べて茶色が濃く、雌の黒色斑点の数も多く現れる。表現型および遺伝形式が似ているfawnおよびbeigeとは同一変異もしくは対立遺伝子と考えられている。
その他: -
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伴性アルビノ有色卵ジャンボ系統 (AJ)

由来
信州大学より導入。(2015年)
特性
コロニー: -
羽装: -
体重: 成雄:-- g、成雌:-- g
繁殖: 受精率: -- %、ふ化率: -- %、育成率(3 週齢まで): -- %
遺伝学的形質: 性染色体性の劣性遺伝子により支配されている不完全 アルビノ。アルビノであるため全身が白色羽装である が、背側に薄く着色した羽 (ゴースト) が出現する。 伴性遺伝であるため,交雑群は初生雛において羽装色 により雌雄判別が可能である。信州大学において肉用 のジャンボウズラとして育成されていた系統で有色卵 殻卵を産卵する。
その他: -
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不完全優性黒色羽装白色卵系統 (Dwe)

由来
信州大学より導入。(2015年)
特性
コロニー: -
羽装: -
体重: 成雄:-- g、成雌:-- g
繁殖: 受精率: -- %、ふ化率: -- %、育成率(3 週齢まで): -- %
遺伝学的形質: 常染色体性の不完全優性黒色羽装遺伝子 (D:対立の野生型羽装はd)と白色卵殻 卵の産卵形質 (we) を併せ持った系統。初生雛は羽装色の色と濃さによってDD, Dd, dd群を判別することが可能である。現在はDd/we の形質で育成維持している。
その他: -
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野生型ジャンボウズラ (WJ)

由来
九州大学より導入(2016年)。
特性
コロニー: -
羽装: 野生型
体重: 成雄:-- g、成雌:-- g
繁殖: 受精率: -- %、ふ化率: -- %、育成率(3 週齢まで): -- %
遺伝学的形質: 野生型の羽装を有する一般的に肉食用として飼育されてきたジャンボウズラ系統。成鶉の体重は250~350 g程度あり、通常の二ホンウズラと比べ2倍以上に成長する (写真 右) 。信州大学で飼育されていた系統とコマーシャル系統のF1を起源とする交雑群。
その他: -
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PGK:H2B::mCherry導入ウズラ (mCherry)

由来
南カリフォルニア大学のRusty Lansford 研究室 で作出された蛍光タンパク質 (mCherry) を発現するトランスジェニックウズラ (Sato et al., 2010, Sato & Lansford, 2013) 。作製者の承諾を受けて九州大学から導入。
なお、このTGウズラの作製に用いたmCherryタンパク質遺伝子は、その作製者であるRoger Tsien博士(カリフォルニア州立大学サンジェゴ校)から直接譲渡されたものが使用された。
特性
コロニー: -
羽装: 野生型
体重: 成雄:-- g、成雌:-- g
繁殖: 受精率: -- %、ふ化率: -- %、育成率(3 週齢まで): -- %
遺伝学的形質: ジャンボウズラ系統に由来する発生ステージXの胚にレンチウィルスベクター (PGK:H2B::mCherry) を感染させ、孵化したトランスジェニックキメラ (G0) を野生型ウズラと交配させることで得られた系統。ほぼ全身でmCherryの発現が観察される。挿入遺伝子はゲノム上の複数個所で確認されており、観察される蛍光強度は個体ごとに異なる。挿入遺伝子のホモ個体では、奇形が出現することがあるため、現在はWJ系統と交配することでキャリア個体群の維持・育成を行っている。
参考文献
Huss et al. 2015. A transgenic quail model that enables dynamic imaging of amniote embryogenesis. Development. 142: 2850-2859
doi: 10.1242/dev.121392
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コリンウズラ 系

由来
2013年に信州大学より導入。キジ科ウズラ属に属するニホンウズラとは分類学的に大きく異なるナンベイウズラ科に属するウズラである。
特性
コロニー: -
羽装: -
体重: 成雄:-- g、成雌:-- g
繁殖: 受精率: 71 %、ふ化率: 72 %、育成率(3 週齢まで): -- %
遺伝学的形質: -
その他: 生息域の違いから、ニホンウズラが属する旧世界ウズラに対し、コリンウズラは新世界ウズラに分類される。比較ゲノム学的な視点のみならず、ニホンウズラとは分類学的に大きく異なるウズラとして、実験動物としての利用が期待されている。
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