NBRP ナショナルバイオリソース ニワトリ・ウズラ

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名古屋大学大学院生命農学研究科附属
鳥類バイオサイエンス研究センター
〒464-8601 名古屋市千種区不老町

ニワトリ ウズラ
野生原種高度近交化系長期閉鎖系閉鎖系
疾患モデル系育成系TGニワトリ
始原生殖細胞株(Primordial germ cell lines)
標準系大型系 疾患モデル系
ミュータント系TGウズラ 別種のウズラ
マイクロサテライトマーカー mtDNA多型情報
遺伝的多様性アリル頻度分布図
血液生化学データGRAS-Di多型情報
表現型一覧 遺伝的多様性接種中のワクチン
血液生化学データ日本鶏の遺伝学的調査

育成系

GB(ゲームバンタム)プチコッコ(矮性鶏)チャーンエヒメジドリダンダラウィー
ポーリッシュブラマバンタム矮鶏バフコーチンバンタムSEBGSPTKKOSHOGSP
FZBLmFZSILBLGSP/CpGSP/CpDWF-PP

ゲームバンタム(GB)

由来
2008年に宮城県の愛好家より導入した♂1、♀1が起源である
特性
コロニー: 導入した1ペアをもとに閉鎖系集団として維持している。 小型である。矮性遺伝子、姿勢を支配する遺伝子などの研究用、ウズラなどの小型鳥類における体外培養用卵殻への適応研究用として育成中。
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プチコッコ (矮性ニワトリ)

由来
2006年、高知県畜産試験場より研究素材として利用することを目的に信州大学農学部を経由して導入された。
特性
矮性系(RIR由来)である。
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チャーン

由来
沖縄の在来種で、2007年に愛媛県の愛好家から♂1羽が導入され、その後、2009年3月に琉球大学の新城明久教授の紹介により、沖縄県うるま市のチャーン保存会から種卵が譲渡され、♀3羽が育成した。
特性
コロニー: 導入した親世代から得られた♂個体の中から、鳴き声の優れた個体を選定し、再度、親世代♀3羽に戻し交配し次世代を得た。これらを閉鎖系集団として維持している。
羽装: 五色、黑、碁石など多彩である。
羽色変異、顎鬚 (Mb)、鳴き声変異を有し、鳴き声を支配する遺伝子、羽色、顎髭などの研究用として育成中。
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エヒメジドリ

由来
愛媛県の南西部地域に残存していた在来種で、2007年に愛媛県の愛好家より♂1♀13羽ならびに種卵を導入し孵化した個体を基礎とした。
特性
コロニー: 導2011年頃まで40羽前後の閉鎖集団として維持していたが、その後♂5-10羽、♀5-10羽前後で維持している。
小型で羽装変異があり、矮性遺伝子、羽色などの研究用として育成中。
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ダンダラウィー

由来
エジプト原産の在来種で、2001年頃に鹿児島県の愛好家より鹿児島大学に導入された♂1、♀1が起源である。 2004年頃まで10羽前後の閉鎖集団として2?3世代を継代した後、2004年に一部を山梨県鳥類センターならびに愛媛県の愛好家に分譲し分散飼育されていた。 名古屋大学へは2008年に、愛媛県の愛好家から♂1、♀1を導入した。
特性
コロニー: 導入した1ペアからは胚死率が100%と孵化の見通しが立たなかったため、2008年山梨県鳥類センターより新たに♂1を導入し、♂1♀1の次世代を得ることができた。 このペアをもとに現在20?30羽を閉鎖系集団として維持している。  
バターカップ冠 (DC)を有す。対暑性、翼の発育異常形質などの研究用として育成中。
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ポーリッシュ

由来
2007年4月に千葉県の愛好家から種卵を導入
特性
コロニー: 導入種卵から育成した♂3、♀1を基に2010年頃まで10羽程度を維持していたが、寡産で育成率が低いため、ファヨウミ近交系(PNP/DO)♀1羽と交配し、Polishへの戻し交配によりPolishの特性を有する個体を選抜した。その後、再度Polishへの戻し交配を行い、得られた10羽前後を基に2010年頃から閉鎖系集団として維持している。
頭骨隆起+脳ヘルニア (he)、毛冠 (Cr)、V字冠 (DV)、多指 (Po) などの様々な形態変異を有し、それらの研究用として育成中。
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ブラマバンタム(BRB)

由来
愛好家から導入したブラマバンタム♂1、♀1を基礎とし、繁殖性の改善のためブラウンレグホーン(BL-E系)を交配した後に、さらにブラマバンタム戻し交配し、品種の特徴を有する個体を選抜後、閉鎖系として維持されている系統(2013年)
特性
外部形態: インド原産の鶏種を欧米で品種改良したもの。愛玩鶏としてさらに小型に品種改良されたもので、条斑と呼ばれる三重の覆輪羽装を有する。この他に、三枚冠(P)、鷹膝(v脚毛(Pti指骨の部分欠損(Byなどの興味深い変異形質を保有している。しかしながら、三枚冠以外の形質の原因遺伝子は明らかにされていない。
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矮鶏(JB)

由来
愛好家から導入(2013年)
特性
外部形態: 日本鶏を代表する鶏種の一つで、小型で直立した尾と短脚を特徴とする。JBはその黒色ならびに浅黄内種に由来する閉鎖集団である。成体重は♂600g、♀500g 前後と小型であるが、この矮性形質が伴性の矮性遺伝子によるものかどうかは不明。短脚形質(Creeper)は、常染色体性の単一の優性遺伝子(Cp)によるもので、ヘテロ型ではおもに中足骨の短縮を伴う骨の形成不全を引き起こし短脚となり、ホモ型では胚性致死となる。このほか、頸椎数が野生型よりも少ない個体が確認されているが、その遺伝性やCpとの関連性は不明である。また、集団内では黒色のほか、ダイリューション変異である浅黄羽装(Blue,Bl)が存在する。
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逆毛烏骨鶏(FZSIL)

由来
烏骨鶏の白色内種(SIL系)に偶出した全身の羽毛が反転する逆毛変異体(2014年)。 育成率の低下によって維持が困難となったため、BL-E系との交雑を経て、戻し交配により逆毛烏骨鶏と同等の形質を有する個体を選抜した。
特性
外部形態: 本系統は、逆毛(Frizzling, Fや,毛冠 (Crest, Cr)絹毛 (silkiness, h)ファイブロメラノーシス (Fm)多肢 (polydactyly, Po)脚毛(ptilopody, pti)などの突然変異形質を保有している。
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バフ色コーチンバンタム

由来
愛好家から導入(2014年)
特性
外部形態: 全身の羽毛が淡黄色のバフ内種であるが、伴性の横斑形質(sex-linked barring, B) を保有するためバフ横斑羽装の個体も出現する。このバフ羽装は、コロンビア斑 (columbian, Co)、E シリーズ (extended black, E) 、マホガニー(mahogany, Mh)、ダイリューション(dilution, Di) などの複数の遺伝子座の複合形質と推定されているが、その遺伝様式の詳細は明らかにされていない。また、この品種は、羽毛量が豊富で、鷹膝 (valture hocks, v)ならびに脚毛形質 (ptilopody, pti)を有する代表的な品種として知られている。本種が伴性の矮性形質(sex-linked dwarfism, dw)をもつかどうかは不明である。
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SEBGSP

由来
イギリス原産の愛玩鶏であるシーブライトバンタムに由来する育成系統である。繁殖性の改善のためファヨウミ種 (GSP) との交配を行った後に、閉鎖系として維持。
特性
外部形態: バラ冠(R)、雌性羽装(Hf)、覆輪羽装(Lacing)を有する。羽毛の覆輪パターンの形成には、複数の羽毛色遺伝子座が関与しており、それらの相互作用により発現することが知られている。
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TK (白斑虹彩異常鶏)

由来
日本鶏である矮鶏の金鈴波内種に偶出した虹彩異常鶏とファヨウミ種(GSP) との交雑群に由来する造成系統。
特性
外部形態: 常染色体性の劣性形質で、頭部、翼、尾、腹部を中心に白斑羽毛(色素欠損)が観察される。眼はまぶたを半分閉じたような小眼球症様の異常を示す。虹彩の形態異常も低頻度で観察される。
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KO (小軍鶏)

由来
日本鶏である小軍鶏に由来する育成系統である。繁殖性の改善のためファヨウミ種(GSN/1) との交配後、小軍鶏への戻し交配を行い、閉鎖系として維持。
特性
外部形態: 中雛から大雛期において表皮の異常を示す個体がまれに出現する。病理学的解析から胸腺の欠損が明らかにされている。
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SHOGSP (小国交雑系)

由来
日本鶏である小国鶏の白藤内種の雄1羽と白色内種の雌1羽に由来する閉鎖系であったが、繁殖性の改善のためファヨウミ種 (GSP) との交配を行った後に、閉鎖系として維持。
特性
外部形態: 小国鶏は、土佐の尾長鶏をはじめとする長尾性を有する日本鶏の成立に関与したとされる鶏種である。長尾変異(Gt)、白笹羽装変異(S)、新奇の劣性白色羽装変異(moW)を有する。
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FZBLm系(逆毛系統)

由来
FZBL系統の作出にあたり、交雑したF1個体をBL-E系に戻し交配した際に、羽毛のカールが弱い個体が1羽だけ出現した。この個体をさらにBL-E系と交配し、同様の形質をもつものを分離させた系統である。
特性
この変異は不完全優性であり、ヘテロ接合個体はホモ接合個体に比べてさらに逆毛の程度が弱くなる(右図参照)。逆毛矮鶏の変異の原因遺伝子として同定されたαケラチン遺伝子(KRT6A)の欠失変異を保有せず、新規の突然変異が原因であることが分かっている。
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FZSILBL系(逆毛烏骨鶏由来の系統)

由来
烏骨鶏の白色内種に偶出した全身の羽毛が反転する逆毛変異体。FZSIL系統として確立したが、育成率の低下によって維持が困難となったため、BL-E系統と交雑した後、戻し交配により逆毛烏骨鶏と同等の形質を有する個体を選抜した系統である。
特性
本系統の逆毛変異は、矮鶏由来の逆毛変異体の原因遺伝子として同定されたαケラチン遺伝子(KRT6A)の欠失変異(Ng et al., 2011)もしくはその遺伝子内変異を保有していないことから、原因遺伝子が異なる新奇突然変異であることが判明している。この他、毛冠(Crest, Cr)、絹毛(silkiness, h)、ファイブロメラノーシス(Fm)、多肢(polydactyly, Po)、脚毛(ptilopody, pti)などの突然変異形質を保有している。
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GSP/Cp系(Creeper (Cp) 遺伝子のコンジェニック系統)

由来
WL-G系統に伴性の矮性変異形質(dwarf)を導入した系統の雄とBM-C系統の雌の交雑から得られたF1個体同士を交配したF2世代に偶出した指の後側化をともなう新規の多指症形質を保有する系統である。
特性
Creeper遺伝子を持つ矮鶏系統 (JB) の雄 (Cp/+) をGSP系統の雌 (+/+)と交配し得て得られたF1個体の雄にGSP雌個体を戻し交配した。その後GSP雌との戻し交配を8回繰り返した後、クローズドコロニーにて系統維持を行なっている。
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GSP/Cp系(Creeper (Cp) 遺伝子のコンジェニック系統)

由来
優性の短脚遺伝子 (Creeper, Cp)を近交系のGSP系統。
特性
多指の表現型を指標にクローズドコロニーにて系統維持を行なっており、現在F6世代である。矮性を示す個体も出現する。指の後側化と多指症はホモ個体でのみ観察され、ヘテロ個体の親の表現型は正常である。ホモ個体は胚性致死となる。原因遺伝子はまだ同定されていない。
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