NBRP ナショナルバイオリソース ニワトリ・ウズラ

お問い合わせ

名古屋大学大学院生命農学研究科附属
鳥類バイオサイエンス研究センター
〒464-8601 名古屋市千種区不老町

ニワトリ ウズラ
野生原種高度近交化系長期閉鎖系閉鎖系
疾患モデル系育成系TGニワトリ
始原生殖細胞株(Primordial germ cell lines)
標準系大型系 疾患モデル系
ミュータント系TGウズラ 別種のウズラ
マイクロサテライトマーカー mtDNA多型情報
遺伝的多様性アリル頻度分布図
血液生化学データGRAS-Di多型情報
表現型一覧 遺伝的多様性接種中のワクチン
血液生化学データ日本鶏の遺伝学的調査

ウズラ標準系

WE系AMRP 系NIES-L 系AWE 系rb(TKP) 系


WE 系

由来
日生研において1971年に確立された系統を2012年に導入
特性
コロニー: 1966年よりクローズドコロニーとして維持してきたウズラ集団に突然変異で出現した白色卵殻卵(白卵)を産卵する形質に関して固定したクローズドコロニーである。
羽装: 野生型羽装
体重: 成雄:134.0 g、成雌:159.9 g
繁殖: 産卵率: 70.6 %、受精率: 80.7 %、ふ化率: 86.4 %、育成率(3 週齢まで): 87.7 %
遺伝学的形質: 血清、血球および種々の臓器中の種々のアイソザイム型が調べられている。白卵形質とパンダ羽装との間にはリンケージ関係は見られない。各種PHAに対する赤血球凝集性が調べられている。
生理学的形質: 成長時における窒素、Ca、Mg、Pの体内蓄積が調べられている。6週齢時の各種臓器重量、消化管の長さ、血液性状及び消化管内細菌叢等について調べられている。26週齢時の血液学検査値及び血液生化学値が調べられている。
抗病性: ニワトリ赤芽球症ウイルスに対して抵抗性である。ラウス肉腫ウイルスのsubgroup Aに対して感受性であるが、腫瘍の成長には抵抗性である。
利用
マレック病ワクチンの製造、農薬等種々の薬品の毒性検定、OECD及び米国EPA鳥類毒性試験法に用いられている。NO2急性暴露に対する平均生存時間の検索、種々の研究用実験動物としての利用、体外培養実験、キメラおよび遺伝子導入実験に用いられている。ニワトリとウズラのハイブリッド作製実験に用いられる。無菌ウズラの栄養に関する研究に使用。
ページの先頭へ

AMRP 系

由来
日生研より導入(2010年)
特性
コロニー: ddマウス赤血球に対する自然凝集素を有する雄 4、雌 8を起源として選抜され、1974年よりクローズドコロニーで維持されている高度近交化系統。
羽装: パンダ羽装(野生色と白色のブチ)で有色卵を産卵。初生雛はニワトリの雛のように全身黄色。
体重: 成雄:108.2 g、成雌:134.5 g
繁殖: 受精率: 36.2 %、ふ化率: 61.5 %、育成率(3 週齢まで): 60.0 %
遺伝学的形質: パンダ羽装の原因遺伝子は、endothelin receptor B2 (EDNRB2)であることが判明している。ダイズレクチンと反応する赤血球凝集原Sbは産卵時出現する。クリタケレクチンと反応する赤血球凝集原Nsは産卵時出現する。同種免疫抗血清により識別されるLyシステム(赤血球、白血球両方に存在する抗原)は3型に固定している。血清中のエステラーゼD型はaa型に固定している。
抗病性: ニワトリ赤芽球症ウイルスによる腫瘍の発生率は 35%である。
免疫応答: 6種類のウシタンパク質(IgG、BSA、αS1-CN、β-Lg、α-La、及びインシュリン)に対する免疫応答性において、とくにIgGに対しては高応答性を示したが、インシュリンに対してはほとんど無応答。
利用
ウズラの始原生殖細胞を用いたキメラ作製実験
参考文献
水谷誠, 茅野和夫, 梅沢英彦, & 倉益茂実. (1974). ニホンウズラの新しい羽装パンダ (panda) についての遺伝子分析. 実験動物, 23(2), 59-61.
ページの先頭へ

NIES-L 系

由来
2013年に国立環境研究所より導入
特性
コロニー: 循環交配によって約70世代まで高度に近交化した系統。
羽装: -
体重: 成雄:122.9 g、成雌:148.0 g
繁殖: 受精率: 80 %、ふ化率: 71 %、育成率(3 週齢まで): -- %
遺伝学的形質: 。NDV(ニューカッスル病ウイルス)の不活化ワクチンに対する抗体産生能の低選抜系を遺伝的・微生物的に純化した世界的に貴重な近交系ウズラである。MHC(組織適合性抗原)型はL系内で全て均一となっている。
その他: ニホンウズラゲノム解析に用いられた系統。環境ホルモン毒性試験。発育卵での化学物質の発生毒性スクリーニング等の多数の実験に使用されている。
ページの先頭へ

AWE 系

由来
カリフォルニア大学より導入した性染色体性の劣性遺伝子により支配されている不完全アルビノ(背側にゴースト羽装が出現)で白卵を産卵する個体から日生研において1975年に確立された。2012年に本センターへ導入。
特性
コロニー: 1雄 12、雌 24-36のクローズドコロニーである。
羽装: アルビノであるため全身白色であるが、背側にうすく着色した羽(ゴースト)が出現する。
体重: 成雄:124.5 g、成雌:145.8 g
繁殖: 受精率: 80.7 %、ふ化率: 92.0 %、育成率(3 週齢まで): 65.9 %
遺伝学的形質: アルビノ羽装はシナモン羽装と複対立関係にあり、アルビノ羽装が劣性である。初生雛において羽装により雌雄鑑別が可能である。ブラウン羽装(性染色体性劣 性遺伝)とアルビノ羽装間の組み替え率はブラウンを雄とした場合約30%である。
その他: 1992年にWE系へ戻し交配が行われている。加齢に伴い眼球、角膜、水晶体に異常が出現する。メラノサイトの研究に用いられている。
ページの先頭へ

rb(TKP) 系

由来
日生研より導入(2010年)
特性
コロニー: 1983年に日生研がタケダ薬品工業(中央研究所、生薬研究所)より導入した劣性黒色羽装で有色卵を産卵する高度近交化系統である。
羽装: 野生型羽装であったが、現在は劣性黒色(rb)に固定。
体重: 成雄:114.3 g、成雌:138.9 g
繁殖: 受精率: 71.2 %、ふ化率: 70.2 %、育成率(3 週齢まで): 46.6 %
遺伝学的形質: 劣性黒色羽装は agouti signaling protein(ASIP)遺伝子の変異である。ダイズレクチンにより識別されるSb凝集原は産卵雌では消失する。クリタケレクチンにより識別されるNs 凝集原は産卵雌において出現する。同種免疫抗血清により識別されるLyシステムは3型に固定している。血清中のエステラーゼD型はbb型に固定している。
免疫応答: 6種類のウシタンパク質(IgG、BSA、αS1-CN、β-Lg、α-La、及びインシュリン)に対する免疫応答性が調べられている。
ページの先頭へ
Copyright © 2012 NBRP-Chicken/Quail