NBRP ナショナルバイオリソース ニワトリ・ウズラ

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名古屋大学大学院生命農学研究科附属
鳥類バイオサイエンス研究センター
〒464-8601 名古屋市千種区不老町

事業について

ニワトリ・ウズラは、現存する約9,600種の鳥類を代表するモデル動物として、ライフサイエンス研究に不可欠な生物資源です。2004年末のニワトリゲノム配列の解読によって、鳥類においてもポストゲノム研究の時代が到来し、また、間もなくニホンウズラでもゲノム配列が公開される予定であり(東京農業大学と名古屋大学鳥類バイオサイエンス研究センターとの共同研究)、ニワトリ・ウズラリソースはますますその重要性を増していきます。このように鳥類バイオサイエンス研究の急速な進展が期待される一方で、我が国における研究用のニワトリ・ウズラリソースの保存・供給体制は脆弱であり、その多くは大学の小規模な研究室単位で維持され、系統の散在化と系統維持費確保の困難さから貴重なリソースが次第に失われつつあります。また防疫上の理由から海外からの鳥類リソースの移入は制限されているため、今後我が国が国際的なイニシアティブを確保していくためには、既存のリソースの保全と新たな系統育成が不可欠です。NBRP「ニワトリ・ウズラ」では、名古屋大学鳥類バイオサイエンス研究センターが中核的拠点を形成し、質と量ともに世界最高水準のニワトリ・ウズラリソースの保存と育成、ならびに安定供給を実現することによって、鳥類を用いたライフサイエンス研究の基盤を補完し、研究者コミュニティへのさらなる貢献を目指しています。

NBRPニワトリ・ウズラリソースとその特徴

現在、研究で広く用いられているニワトリ・ウズラのほとんどは、産業用(複数の親系統の多元交配によって生産されるヘテロ性の極めて高い個体群)からの転用であるため、遺伝的な保証がありません。実験結果の再現性を確保するには、遺伝的に統御された系統を使用することが重要です。NBRPでは、現在、ニワトリの野生原種である赤色野鶏、高度近交系、長期閉鎖系、疾患モデル系および育成系を含む20を超えるニワトリ系統を維持し、ニホンウズラは突然変異系統を含む長期閉鎖系7系統を保有し、提供が可能です。なかでも高度近交系5系統は、多くのマイクロサテライト(MS)マーカー、各種血液型、皮膚移植などの検査によって遺伝的均質度が非常に高いことが確認されており、質的にも国際競争力を兼ね備えた世界屈指のニワトリリソースとなっています。また、ニホンウズラ7系統についても、当研究センターで独自に開発したMSマーカーによって高い遺伝的均質性が確認されています。

NBRPニワトリ・ウズラが目指すもの

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