大気への発生量と心土への移行量の関係
透水速度を0、5、15mm/日に設定した水田土壌湛水ポットを準備し、大気への発生量と浸透水中のメタン濃度を同時に測定した。その結果、透水速度の増加は下方へのメタン移行を促進したが大気への発生量には影響が認められないこと、稲ワラの施用は大気への発生量と下方への移行をともに促進すること、下方へのメタンの移行量はわが国の平均浸透速度条件下(約15mm/日)では、大気への放出量の約10%に相当すると推察された。また、幼穂形成期以降透水液中のメタン濃度は溶存有機炭素濃度より高い値であった。なお、水稲を作付けしないポットでは下方への移行量は大気へのメタン発生量に比べきわめて多くその量は大気への移行量の3〜10倍にも達した(図12、表5参照)。
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