水田生態系の構造
水田生態系の構造
水田生態系は、田面水、作土層土壌、作土下の下層土から成り、作土層土壌は表層数mmの作土酸化層とその下の作土還元層から成りたっています。また、水田生態系においては、浸透水がこれら各層を上から下に結びつけています。加えて、作土層には、水稲根系が発達し、多量の刈り株・残根や稲わらが鋤込まれています。これら各部位は、そこに生育する微生物にとってそれぞれ異なった環境であり、各部位に適応した微生物群集が生育しています。
水田に生息する微生物群集はウィルスに始まり、細菌、糸状菌、原生動物から構成され、各微生物は互いに影響を及ぼしあっています.例えば、地球温暖化ガス であるメタンは、メタン生成古細菌によって作られるが、その生成には共生菌の存在が不可欠です.また、生成したメタンは土壌中を移動する とともにメタン酸化菌によって分解され、メタン生成古細菌、メタン酸化菌は、そのウィルスや原生動物によって制御されています.
本研究室では、全国各地の水田土壌を用いて、そこに生息する各種微生物の動態と微生物間相互作用を解析し、 水田生態系の生元素循環における微生物多様性と機能の実態と仕組みを解明することを目指しています。
研究の背景
現在の主な研究課題
水田でのメタンの動態に関与する微生物群の生態
水田土壌の有機物分解に関わる微生物群
水田土壌の微生物バイオマスカリウムの動態
研究のキーワード
新規土壌微生物の分離と特性解明
微生物群集の分子生物学的解析
生物地球化学循環
土壌微生物の系統解析および遺伝子発現解析
これまでの研究のまとめ、解説
その他