大蔵 聡
家畜の繁殖機能を制御する神経内分泌メカニズムの解明
家畜の繁殖機能は脳による事細かな調節を受けています。家畜の繁殖に影響をおよぼす因子には、個体を取り巻く環境、栄養状態、嗅覚情報などさまざまな要素がありますが、これらの因子に由来する情報は、最終的に繁殖機能を調節する脳内の神経機構、GnRHパルスジェネレーターの活動を変化させると考えられています。本研究では、これらの因子の作用メカニズムを解明するとともに、そのメカニズムの解析を通じて、未だ明らかとはなっていないGnRHパルスジェネレーターそのもののメカニズムの解明を目指しています。
本研究では、ヤギおよびウシを研究対象として用います。これらの実験動物モデルでは、同一個体から多くの情報を得ることができるなど、ラット、マウスなどの小型実験動物にはないメリットがあり、生理機能解析の動物実験モデルとして非常に有益であるとともに、得られた成果をただちに生産現場に応用できる可能性も秘めています。大中型実験動物を用いて、神経内分泌学、神経解剖学、行動学、分子生物学的手法など多面的なアプローチにより、学内外の研究室との共同研究も積極的に行いながら、繁殖機能の制御メカニズムの解明に取り組んでいます。