名古屋大学大学院生命農学研究科・農学部では創設以来、愛知県を中心とした家禽産業への貢献を重視し、家禽の教育研究を推進するため「野鶏・家鶏系統保存事業」が1952年に文部省事業として開設され、長く継続されてきました。 また、当研究科は、歴史的にも多くの家禽学研究者を輩出し、その実績は国内外でも高く評価されております。
この流れを受け、2007年4月1日、名古屋大学大学院生命農学研究科に鳥類バイオサイエンス研究センターが以下の目標を掲げて発足しました。
1) 鳥類のポスト・ゲノム研究の推進(共同研究の促進)
2) 鳥類遺伝資源の維持・管理・開発・提供、連携保全
3) 若手研究者の育成(大学院生等の研究への協力)
4) 国内・国際シンポジウムの開催(研究コミュニティの交流への寄与)
5) 研究コミュニティへの鳥類遺伝資源提供と研究情報提供
その後、2012年より文部科学省ナショナルバイオリソースプロジェクト中核的拠点整備プログラム(AMEDを経て現在は再度文科省のプロジェクト)「ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)ニワトリ・ウズラ」に採択され、鳥類バイオリソース事業の中核的研究拠点として種卵など毎年数千点以上のサンプルを研究者コミュニティに提供しています。是非、下のリンクをクリックして、特色あるリソースの数々をご覧下さい。世界的にも類のない近交系などの頒布を行っています。
当センターを含めた努力によりニワトリに続きウズラでもゲノムドラフトが公表され、鳥類が持つ様々な形質の解明と産業・社会への応用を目指しゲノム情報を活用した研究が活発に行われるようになっています。また、ニワトリでもゲノム編集が可能となり、従来にはない強力なツールを用いて、生命現象の解明等大きく進展させることが期待されます。鳥類バイオサイエンス研究センターはこの分野の研究を進める推進力となる事を目指しています。2022年4月には改組を行い、さらにこの分野を盛り立てていく体制を整えました。
「小さな組織で大きなヒット」を狙う、それは皆様のご協力なしには成し得ないことです。今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。