【1】センターのミッション
我が生命農学研究科では、愛知県の家禽産業への貢献を重視して、1952年以来、文部省事業「野鶏・家鶏系統保存事業」を継続してきました。この歴史をふまえ、平成19年度から文科省特別教育研究経費(研究推進)「鳥類生命科学におけるポスト・ゲノム研究の展開−鳥類遺伝資源の多様性維持・開発と高次機能研究への活用−」がスタートしたことに伴って、当センターは発足しました。
当センターでは30年以上にわたり、多型マーカーをホモ化する方法で高度に近交化を図った10系統を含む18系統のニワトリを維持しており、遺伝資源と研究情報の提供に努めています。国際的に認められた近交系や高度近交化系統は本センター以外に少なく、ニワトリ標準化系統の利用を期待している研究者の潜在数は極めて大きいといえます。試料提供数も年々増加しており、2008年度(平成20年度)実績は8,531個体(所属機関外61%、5,192個体)となっています。2010年度には小型実験用鳥類として有用なニホンウズラの5系統を新たに導入し、ウズラ標準化系統の育成と提供を目指しています。今後もこの活動をさらに加速させ、我が国の鳥類研究者コミュニティの形成と鳥類研究の発展に貢献したいと考えています。
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