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                                   Laboratory of Animal Genetics and Breeding
ニワトリの不安様行動に関わるQTL・QTG研究

 「ニワトリの成長、肥満と爆食に関わるQTL・QTG研究」を実施している過程で、孵化時にヒトの手をヒナに提示すると、ブロイラーとレイヤーは好奇心を示してヒトに積極的に近づいてくるのに対し、名古屋種は臆病で育雛器の1ヶ所に集まるという逃避行動があることに気づいた。 この逃避行動は、名古屋種の成鶏に見られる密集死(不意に驚いてパニックになり鶏舎の隅等の1ヶ所に密集して圧死すること)を引き起こしている原因であると考えられる。 この密集死により、養鶏農家は毎年かなりの経済損失をしている。 今までの行動試験解析の結果に基づくと、名古屋種とレイヤー間に不安様行動の差異が見られている。 現在、不安様行動に関わるQTLsを発見し、さらにはQTGsを同定することを目指して、名古屋種とレイヤー間のF1とF2交雑群を作製している。
 また、観賞用の日本鶏には約45品種存在し、そのうちの15品種2グループ(地鶏と軍鶏)が国の天然記念物に指定されている。 現在、幾つかの日本鶏品種を用いて、不安様行動に品種間の差異がみられるか否かを行動試験により調査している。 途中結果として、品種間差があることが示唆されている。
今後、不安様行動に関わるQTL・QTG研究を目指す。


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