森林生物群集の保護・管理、森林生態系の保全に関する研究

三浦光 −ニホンジカ背面の斑紋パターンを用いた個体識別手法の検討−

「ヒトの顔認証ができるなら、シカだって画像解析による個体識別が可能なのでは?」 人々のそんな思いから、この研究は生まれました。2枚の画像の類似性を評価するプログラムを作成し、算出された類似性パラメータの数値から、同一個体/非同一個体を識別します。現在は主に、解析条件の最適化による識別精度の向上、およびプログラムの軽量化に取り組んでいます。





尾関俊亮

イヌツゲは本州から九州にかけて分布する常緑小高木で、庭木、道路脇の植え込み、生け垣などによく利用される園芸植物です。名大キャンパス内でも多くのイヌツゲを観察することができ、馴染みのある植物でもあります。近年、このイヌツゲが枯れる病気が頻発しており、その防除策は急務であります。この病気は未知の部分が多いため、私はこの枯れ病の動向、拡大経路を調査しています。  



卒業生

 プラタナスという街路樹の重要害虫であるプラタナスグンバイの防除方法について研究しています。近年、プラタナスグンバイによってプラタナスの葉が白化するという被害が出ており、その分布は年々拡大しています。そこで本研究では、菰(こも)を用いたプラタナスグンバイの防除を目指しています。
 また、プラタナスグンバイが媒介している菌がプラタナスや他の樹種に害を与える可能性について調査するために、プラタナスグンバイから菌の分離実験を行っています。



卒業生 ―ネブトクワガタの保全に向けて―

クワガタムシは人気のある昆虫の一つですが、里山林の荒廃によって減少しているといわれています。 そのなかでも希少なクワガタムシであるネブトクワガタは生態がよくわかっていない種です。 ネブトクワガタの保全に向けて、基礎的な知見を蓄積するために野外での個体数調査を行っています。  



卒業生

スギ花粉に特異的に寄生し、花粉飛散を抑える効果を持つ菌類、Sydowia japonicaを研究しています。スギの人工林面積は広大なため、その全てを抑制の対象とすることは困難です。 そこで本研究では、スギの生育環境の違いによるSydowia japonica感染率を比較し、効率的な花粉飛散抑制を行える環境の特定を目指します。