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植物免疫学とは?

植物も戦っています。

植物には、一見静的なイメージがあると思いますが、自ら動くことができないため、環境ストレスに対する適応能力は動物より進んでいるかもしれません。我々と同様に植物も、ウイルス、細菌、カビなどの様々な病原体に曝されており、生体防御機構を働かせて身を守っています。しかし、一部の病原菌は、植物の防衛線を乗り越え、病気を引き起こすことができます。病原菌に負けた例として、腐ったミカンやイチゴを目にすることは多いと思います。1845年に、アイルランドで起こった疫病菌 (Phytophthorainfestans) によるジャガイモ飢饉によって、約100万人が餓死しました。このように、時として植物病原菌は猛威を振るうことがあります。
 

病気で失われる食糧を取り戻す。

 世界の人口は爆発的に増加しており、2050年には約91億人に達すると予想されています。ジャガイモ疫病を例にとると、ジャガイモの損失量は全世界で7,000万トンにも上り、それは14億人分の消費量に相当します。世界中でのジャガイモ疫病被害総額は、年間4,500億円に達します。さらに、世界規模での化石燃料などのエネルギー資源の枯渇が予測され、バイオマス植物の開発が期待されていますが、病害は大きな問題になると考えられています。もし、病害による損害を軽減できたら、作物の生産性を格段に向上させることができます。植物免疫反応をコントロールするシグナル伝達ネットワークの調節機構を分子レベルで明らかにすることは、病気から植物を護ることに繋がるでしょう。
 私達の研究室では、病気から植物を護ることを目的として耐病性植物を創生してきました。しかし、この目標を達成するには、生体防御システムの分子メカニズムを明らかにする必要があります。社会に還元できうる応用研究には、徹底した基礎研究が必要不可欠だと考えています。すなわち、作物で得られる個々の病理現象の原因遺伝子を解析する際にはモデル植物を用い、得られた基礎データを作物に還元する、いわゆる“crop to model, model to crop”といったスタンスで研究を進めています。これらのシステムを駆使し、植物免疫システムにおけるシグナル伝達ネットワークの解明を目指しています。

 
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新着情報

○令和5年度 感染生理談話会でD1日野雄太君が『学生優秀賞』を受賞しました!

○業績>学会ページを更新し、
令和5年度日本植物病理学会関西部会の発表タイトル等を更新しました。

 
○令和5年度日本植物病理学会関西部会で4名(D1日野雄太君、M2林優介君、M1松吉紀佳さん、研究員吉岡美樹さん)が発表します。