細胞分化

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 細胞分化は一般に、細胞外のホルモンや増殖因子などが細胞膜上の受容体に結合し、細胞内にその刺激が伝達することで起こります。我々の研究室では、次のような課題を展開しています。


(1) 神経細胞分化誘導

(2) 疫病菌有性生殖誘導


 神経細胞分化誘導は、神経変性疾患の治療に応用できる可能性があります。神経成長因子(NGF)の刺激によって神経様の突起伸張を起こす株化細胞PC12をモデル系に用いて、神経突起伸張誘導活性を示す物質を天然からスクリーニングしています。その過程で、アオヒトデ、オニヒトデからこのような活性を示す多数の新規ステロイド配糖体を発見しました。現在、活性物質の作用機構の解明、マウスに対する記憶学習向上効果を調べています。


 疫病菌はPhytophthora属の糸状菌で、田畑の重要農作物に感染して甚大な被害を及ぼす恐ろしい面と同時に、有性生殖を営むという生物学的に興味深い一面も有しています。有性生殖は疫病菌の急速な変異と世界規模の伝播の一役を担っていると言われています。疫病菌の有性生殖では、2種の交配型が出会うことで相手の分泌する交配ホルモンに刺激されて生殖器が分化し、受精が起こり、有性胞子である卵胞子が形成されます。我々は最近、交配ホルモンの1つ「α1」を世界ではじめて同定しました。この成果を元に、α1の合成やアンタゴニストの開発、もう1つある交配ホルモンα2の同定などを進めています。