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現在、生育地の開発や生育環境の悪化によって、多くの樹木が絶滅の危機にさらされています。

個体数の減少や生育地の分断化が進むと、偶然に個体数が大きく変動したり、繁殖がうまくいかなくなったりします。他にも、絶滅リスクを左右するといわれる集団内の遺伝的多様性が失われるなど、集団の存続にとって様々な悪影響を及ぼします。

このような絶滅危惧樹木を保全していくためには、まずそれぞれの植物の分布や生態を把握して、個体数減少の要因を明らかにすることがとても重要です。
また、各集団の地域性を保全するためにも、集団間の遺伝的変異を評価する必要があります。


ひとつひとつの花から分布域全体まで、さまざまなスケールで絶滅危惧樹木の生態や遺伝的多様性について調べています。

シデコブシは東海地方の湿地にのみ分布する固有種です。生育地である里山は都市近郊に多いために開発の影響を受けやすく、集団の分断や消失が起きています。

集団内の構造や繁殖パターン(開花フェノロジー、花粉や種子の移動、近交弱勢)、各集団の遺伝的変異について研究しています。

ケショウヤナギは北海道と長野県のみに隔離分布する河畔林の絶滅危惧種です。近年、ダムの建設や河川改修などで個体数が減少しています。

長野の分布南限にある集団を対象に、集団の孤立が遺伝的多様性の低下にどのように影響しているのかを調べています。

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