中部農業経済学会 第71回研究発表会

日 時:2001年6月23日(土)  場 所:名古屋大学農学部

個別報告

第1会場
1 中国都市近郊における適正規模経営の展開と目標
  丁 国 平(名古屋大学大学院)
2 日本の花業界のネットビジネス問題点−世界最大の花のBtoBダンポットシステムとの比較
  井上 守・小林富雄(名古屋大学大学院)
3 大規模施設温室導入による輪ギク経営完全
  山内和明(渥美農業改良普及センター)
4 農家女性の農外就業が生活経営に及ぼす影響
  片山夕子(渥美農業改良普及センター)
5 デフレ・グローバル化の中の生鮮食料品価格
  加藤辰夫(福井県立大学)
第2会場
1 中規模酪農経営におけるフリーストール経営効果
  光部博雄(東三河農業改良普及センター)
2 アジア諸国の畜産物消費の展望とその特徴
  杉山道雄(岐阜市立女子短期大学)
3 マレーシア水田農業経営における普及事業の現状と課題
  Norsida Man(鹿児島大学大学院)
4 Logit Analysis of the Determinant of the Factors on Intercropping by Rubber Smallholders in Sri Lanka
  Upananda Herath Paragahawewa(名古屋大学大学院)

シンポジウム

「21世紀 中部地域における地域農業 課題と展望」

 去る2001年6月23日(土)に、上記テーマでシンポジウムを開催し、約60名の参加者によって活発なディスカッションが行われました。
 詳細は、2002年1月刊行の『農業・食料経済研究』第48巻第2号に掲載されますが、概要をホームページ上に掲載いたします。

座 長:佐々木 隆(信州大学)


第1報告

グローバリゼーションとリージョナルゼーション・ルーラルゼーション
−21世紀における地域農業再構成の課題−

加藤光一(信州大学)

 「農業のグローバリゼーション」というキー概念をもとに、21世紀における地域農業の課題と展望を明らかにするため、90年代の「農業のグローバリゼーション」をどう認識するかということから出発して、「グローバリゼーション」の一方にある「農業のグローバリゼーション」「農業のローカリゼーション」の位相を検討した後、それらを「対抗軸」とした21世紀の地域農業再構成の課題が提示された。
 以下は報告レジュメの構成です。
T.グローバリゼーションの位相−世界農業恐慌の発生と成立−
U.リージョナリゼーションの位相−食料輸入のアジア化−
V.ローカリゼーションの位相−地域農業・農村の解体化−
W.21世紀における地域農業再構成の課題−地産地消=身土不二の再構成−

第2報告

循環型社会におけるサブシステムの構築
−食品由来資源の循環的利用と有機農業の役割−

波夛野 豪(三重大学)

 地域農業のあり方を循環型社会の観点から検討するため、食品由来資源の廃棄状況、それを受け入れる農業の機能、循環的利用(リサイクル活動)の実態とシステム構成が整理された。そして、資源の質、循環の範囲、有機農業の位置づけ(社会的評価の必要性)から循環の促進・阻害要因が提起されるとともに、安定性の高い循環システムを構築するため「都市・農村ループ」を形成することが必要であり、そのための条件が提起された。
 以下は報告レジュメの構成です。
T.はじめに−持続型社会と農業
U.循環資源の受け入れと農業の本来的機能
V.循環のサブシステムとしての評価軸
W.循環の促進要因と阻害要因
X.おわりに−21世紀の地域農業において期待される都市・農村ループの形成

第3報告

情報技術に対応した地域農業戦略構築の課題
−農産物Webマーケティングに関する理論的考察−

大泉賢吾(三重県科学技術振興センター)

 Webマーケティングの実態と特質、とりわけ顧客とのコミュニケーションやリレーションシップの課題について、主として社会心理学的な観点から検討がなされ、次いで農産物マーケティングにおいて考慮すべき固有の特質、農産物とインターネットの特質を考慮したマーケティング・モデルが提示された。

コメンテーター

荒井 聡(岐阜大学)山田 勝(愛知県農業総合試験場)