研究内容

　上皮細胞の形態形成およびその機能、細胞間ネットワークについて焦点を当てて研究をしています。具体的にはそれぞれ、以下のテーマについて扱っています。

• 上皮細胞の機能解析
  外来から食物として取り込まれた物質は、消化管の管腔に位置する上皮細胞層によって吸収される。近年の研究により、食物に含まれるある種の物質は単なる栄養素ではなく、積極的に生体に情報を伝える生理活性を持っていることが解明されつつある。特に乳幼児が摂取するミルクは、同種の生物である母親によって生産される非常に特殊な食物であり、乳児の腸管にはミルクタンパク質に対する受容体が存在し、積極的に生理活性物質として吸収されている。本研究では、様々な生理活性を持つミルクタンパク質ラクトフェリンに結合するレクチン様タンパク質intelectinの腸管細胞での機能解析を行っている。


• 上皮細胞による細胞間ネットワーク
  個体を形成する様々な細胞は、細胞膜上のタンパク質や分泌性の因子を介して、直接的または間接的に化学的または物理的な情報を伝達し、細胞間の情報ネットワークを形成している。本研究では、近年明らかとなってきた分泌性の小胞（exovesicle）による細胞間の情報伝達について明らかとするため、exovesicle表在糖タンパク質MFG-E8の機能解析を行っている。

1999. 3　名古屋大学院博士課程前期課程修了（農学研究科食品工業化学専攻）
2000. 1-2002. 3　日本学術振興会特別研究員DC2
2002. 3　名古屋大学院博士課程後期課程修了（生命農学研究科応用分子生命科学専攻）
2002. 3-2007. 6　理化学研究所発生再生総合研究センター　形態形成シグナル研究グループ　研究員
2007. 7-2011. 2　シカゴ大学（Department of Molecular Genetics and Cell Biology）Research Associate
2011. 3~現在　名古屋大学大学院 生命農学研究科 応用分子生命科学専攻 助教

所属

研究者プロフィール（名古屋大学）