地球の温暖化は、深刻な地球環境問題である。温室効果ガスとしては、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)、フロン、が挙げられるが、そのうちでもわが国の農学者が特にメタンに注目するのは、メタンが、
などのためである。 これまで世界各地の水田土壌において多数の研究が実施され、世界の水田から発生するメタンの総量が明らかになってきた(表1)。また、土壌の種類、水稲品種、肥培管理、水管理等により、水田からのメタンの発生量が大きく変動することが明らかにされている。 しかし、水田から発生するメタンの起源、生成したメタンの土壌中での動態に関してはこれまでほとんど研究されてこなかった。本研究は、水田土壌学の立場から水田土壌中でのメタンの生成とその後の動態を解明し、地球温暖化対策に基礎的知見を提供することを目的としたものである。 |