STUDY


山本 直之教授

 魚類を中心に水生生物の神経回路や行動を調べています。サカナは、これまで一般に考えられてきたよりも遥かに複雑な行動や高度のコミュニケーションと学習能力を持つことがわかってきています。形態学的にも、最近の我々の研究によって大脳新皮質に相当する構造が存在する可能性すら明らかになってきました。
 脳はさまざまな種特有の習性や繁殖など本能的行動の土台となる器官でもありますから、水産資源や生物多様性の保全のために何をなすべきか考える上でも神経系の研究はとても重要です。さまざまな合目的的な行動を生み出す神経系の理解を目指します。



阿部 秀樹准教授

 魚類をはじめとする動物が、季節や繁殖など環境のゆるやか、かつ、持続的な変化に応じてどのように脳・神経系を調節しているのかを、脳内で作用するホルモン(神経ペプチド)を作り出す神経系のメカニズムに注目して調べています。具体的には、(1)一個のペプチドを作り出す神経細胞(ニューロン)がどんな刺激・興奮によって、どこから神経ペプチドを放出することができるのか、(2)放出された神経ペプチドが、脳内の神経回路で行われる情報処理をどのように変化させるのか、(3)神経ペプチドによって変化した脳内の情報処理によって、動物が感じる感覚や行動がどのように変化するのか、ということを調べています。

 脳内で作り出される神経ペプチドが脳というコンピュータの中でどんな機能を果たしているのかということは、魚に限らず動物一般的に未だ殆ど明らかになっていません。このメカニズムを知ることで、水産資源や生物多様性の保全に役立つ動物にとって優しい生体機能・行動制御方法の開発を目指しています。


 より詳しい内容は、 グループHPをご覧下さい。

後藤 麻木助教

 哺乳類(特に齧歯類)の生物時計。特にメラトニン合成関連の研究に始まって、カエルの行動リズム、メダカの時計遺伝子などに手を出してきましたが、現在の興味は下等脊椎動物のメラノプシン、発音(コミュニケーション)関連遺伝子などに移ってきています。