山本 浩之(教授 博士(農学) 博士(工学))

樹木進化5億年の秘密に迫り、その成果を生物資源の有効な利用に結びつけていきます。

 強風で倒れそうになった樹木が、重力にさからってまた天に向かって伸びていく不思議。あるいは小さな苗木が、やがて高さ100mを超える大木にまで成長するメカニズム。これらは太古の時代に海から陸に上がって始まった、樹木の長い進化の結果獲得した能力であり、その背景には、細胞壁という小さな組織に秘められた進化の歴史があります。
 私たちの研究室では、このような樹木の特性を、細胞壁レベル、DNAレベル、さらには分子レベルで解明していくことで、貴重な木質資源を有効に使うことをめざしています。
 地球温暖化はすでに逆戻りできない段階にあるのではないかと言われています。暮らしも、産業社会も、化石燃料への過度の依存から脱却するための道筋を速やかに見つけなければなりません。その意味で、身の回りの森林にある豊富な木質資源の有効利用には、大きな希望があります。私たちは、まだ樹木の特性をつかみきってはいませんが、生物材料物理学という視点は有効な切り口を提供してくれます。欧米や東南アジア、南米などの研究者とともに樹木の本性に物理の力で迫り、樹木の成長・細胞壁の特性・木材の機能を深に理解し、有効に利用するための基礎研究を推進していきます。

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生物材料物理学

山本 浩之

教授 博士(農学) 博士(工学)

1988年、名古屋大学大学院農学研究科修士課程修了、名古屋大学助手、同助教授を経て、2006年、名古屋大学大学院生命農学研究科教授。2007年、Universite Montpellier II 客員教授、2013年、Universidade Federal do Sao Carlos 客員教授

原子力間顕微鏡による超微細構造の観察ボルネオ島でのフィールドワーク