中園 幹生 (教授 農学博士)

世界の食料問題の解決をめざして、植物がどのように環境ストレスを感じて、適応するのかを解明しています。

 地球温暖化・気候変動や世界人口の増加などの問題と相まって、世界の食料問題はますます深刻化すると予想されています。この問題を解決するために、農学の果たすべき役割は極めて大きいと言えます。
 作物の生産量を増やすためには、主に二つの方法が考えられます。一つめは作物の食べる部分(コメなど)の量を増やすための方法で、二つめは病気、害虫、環境ストレスなどによる作物生産量の損失を防ぐための方法です。特に環境ストレスによる作物生産量の損失は甚大で、さまざまな環境ストレスに強い作物をつくることは食料問題を解決するための重要な戦略です。
 地球規模の気候変動によって、世界各地で干ばつや洪水が頻発すると危惧されています。私たちは、環境ストレスの中でも大雨が降ったときの作物の湿害・冠水害の問題を解決するための研究を行っています。イネを除く世界の主要作物のほとんどが、土壌が過湿状態になると根が酸素不足になり生育不良を起こします。これらの作物に耐湿性・冠水抵抗性を与えるには、作物の低酸素ストレスに対する応答機構について理解を深める必要があります。これらの研究によって得られる知見は、作物の耐湿性・冠水抵抗性を高め、作物の増産に貢献できると考えています。

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植物遺伝育種学

中園 幹生

教授 博士(農学)

1990年、名古屋大学農学部卒業、1995年、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了、同助手、米国アイオワ州立大学客員研究員、東京大学大学院農学生命科学研究科助教授、同准教授を経て、2010年、名古屋大学大学院生命農学研究科教授

レーザーマイクロダイセクションによる細胞単離 イネの根の断面観察