VNCサーバーを利用したGIS遠隔教育

 学部3年の実験実習(森林科学コース)では、GRASS GISを利用したGIS及びリモートセンシング教育を行っています。学生の人数分のGRASS GISシステムを用意できるわけではないので、GISサーバーを構築し、学部のサテライトラボからの遠隔操作により実習を行っています。

1.実験実習で使用しているGISサーバー(H17年度 更新)
使用サーバー  ショップメイドPC(Sempron 2800 with 2GBメモリ×1台:5万以内のパソコン+故障機器からのパーツ流用で構成)
使用OS  Fedora Core4(GUIはGnomeからXFCE4に変更:負荷軽減のため)
使用GIS GRASS GIS 5.4(基本的にGUIモードは使わない:負荷軽減のため)
対象人数  学生20名前後+教員等

2.サテライトラボからGISサーバーへの接続
GISサーバーへの接続は、セキュリティに配慮してSSH経由で接続しています。
詳しくはこちらをご覧下さい。

平成17年度 実習内容(内容更新中)

GRASS GIS入門(半日×5)
  1. 地域標準メッシュとは
  2. 愛知県を対象とするGISデータベースの構築
  3. ラスター地図レイヤーの構築
  4. 地図の表示
  5. ラスター地図レイヤーの属性情報
    • 属性情報の付加
    • 条件ファイルの構成
    • ラスター地図レイヤーの内容の記載
    • 演習Ⅰ 愛知県における森林減少を調べよう!
  6. ラスター地図レイヤーによる空間解析①
    • 演習Ⅱ 1976年時点の森林がどのように形態を変えたか調べよう!
  7. ラスター地図レイヤーによる空間解析②
    • 演習Ⅲ 愛知県における森林の変化パターンを調べよう!
  8. 愛知県を対象とするUTM座標系のLOCATION作成
  9. ラスター地図レイヤーの投影変換
    • 演習Ⅳ 補完法の選択基準とは?
  10. ラスター地図レイヤーの空間統計解析
    • 演習Ⅴ 1976年~1997年の間に森林域に最も変化が生じた市区町村を調べよう!
  11. ラスター地図レイヤーによる空間演算
    • 演習Ⅵ r.mapcalcの利用
  12. 領域(Region)とマスク(MASK)
    • 演習Ⅶ 領域(Region)とマスク(MASK)作成
  13. GRASSの三次元解析ツール(NVIZ)
    • 演習Ⅷ 森林域に変化が生じた区域の地形的分析
リモートセンシング入門(半日×2)
  1. MODIS/TERRA衛星データ
  2. MODIS/TERRA Vegetation Indicesデータ
  3. MODIS Reprojection Tool
  4. MODISデータのインポート
    • 演習Ⅰ 愛知県を対象とするマスクの作成
    • 演習Ⅱ 土地利用形態ごとの反射率の季節特性を把握しよう!
  5. 植生分類
    • 演習Ⅲ 他のイメージグループを利用して教師付き分類を行ったら?
    • 演習Ⅳ 分類数を変えて教師なし分類を行ったら?
GIS/RS基礎(半日×2)
  1. ベクトル地図レイヤーとは
  2. ベクトル地図レイヤーの入力
    • LOCATIONとMAPSETの設定
    • 背景画像のロケーション設定
    • 背景画像に座標系を与える(ジオリファレンス・幾何補正)
    • 林小班界のディジタイズ
    • ディジタイズの終了とトポロジー(空間位相構造)の確立
    • ベクトルデータの再分類(再分類及びディゾルブ)
    • 10mメッシュ標高データのインポート及び傾斜角・斜面方位の算出
    • ラスター地図レイヤーによる領域(Region)の設定
    • ベクトル地図レイヤーのラスター変換
    • 習林境界外のマスク
  3. 課題演習
    • 条件ファイルを利用した樹種・林齢・材積地図レイヤーの作成
    • 伐期に達したスギ・ヒノキ林の抽出
    • 集材可能域の特定

3.設定情報
1.Fedora Core4でSSH経由のVNC接続ができない
Fedora Core4では、デフォルトのSSH接続がSSH2プロトコル限定になっています。WindowsからのSSH接続ではSSH1を用いますから、Fedora Core4のSSHサーバーの設定をSSH1も使えるように変更します。
対処方法:/etc/ssh/sshd_configファイルの、「Protocol 2」となっている行をコメントアウト。